実践的演劇プログラム(真田・丸子地域 ワークショップ)
- 会場
- サントミューゼ
「演劇を教えるワークショップと演劇を応用したワークショップの2種類ある。演劇を教えるワークショップは基礎(フィジカル、発生、身体訓練、台本読み、役作りなど)をやっていく。応用は、演劇の考え方、感じ方、演劇を使って、芸術の感じ方を学ぶワークショップ。」ということで、今回は応用のワークショップを行います。
プログラムは、体を動かすことからスタートします。
手が
①ひらく、ひらく、とじる
②ひらく、とじる、とじる
の時は
足は ひらく、とじる、ひらく
足が
③ひらく、ひらく、とじる
④ひらく、ひらく、とじる
の時は
手は ひらく、とじる、ひらく
という動きをやってみます。
手と足をバラバラに開いたり閉じたりを繰り返し、体を動かすことでリラックス、、、、のはずが、頭も使う???
あれ?と、皆さん頭と体の動きがバラバラになってパニック。それでもいつの間にか笑顔が。
「悲しい時に、顔は悲しくないのかもしれない。体と心は別なのかもしれない」と内藤さんから投げかけられ、
「なるほど」、と体感した参加者の皆さん。
体がほぐれたところで(頭も?)、いよいよプラグラムスタートです。
○、×、△を使って、参加者からは見えないように、ホワイトボードの裏や封筒の中に隠された記号を当ててみます。
ぼんやり見える方、一部のみ浮かぶ方、もしくはズバッと見える方(!)、参加者の皆さんが各々の力(?)を働かせてイメージします。
その次に、同じ記号を3種類使って、どの順番に並んだかを想像します。
丸子では「魚が泳いでいる。海の魚か、川の魚か」という問いです。
それぞれが、曲を聴いて沸いたイメージや、曲の特徴などから感じたことを基に、「キラキラした渓流が浮かんだ」「小魚がせわしなく動いている感じがした」「波の動きに感じた」など様々な意見が出ます。内藤さんも参加者からの発表される色々なイメージに聞き入っています。
どんな食べ物が浮かんだか
ここでも「何かの果実」「春めいた食べ物」「ぶどう」「和菓子」など意見は様々。
春夏秋冬のどれをイメージするか、自分がどこにいるか、何を食べたくなるか、をそれぞれ違った曲を聴いて想像します。少しずつ、イメージできる幅が広がってきます。
次は、「3枚の絵が登場、曲を流してどの絵の中に流れている音楽か」、という問いになります。
想像中。
「草原のイメージから景色が変わっていく感じ」「広くて奥行きがある感じ」「寒い冬、梟たちが肩を寄せ合っている」「音の動きが激しくて大海原のイメージ」
やはりここでも様々な意見が出ます。
他の参加者のイメージを聞いてみて、もう一度同じことをやってみると、最初のイメージと変わることもしばしば。
絵を変えて、再び挑戦。
決まった答えの中から1つを選ぶ作業からスタートした今回のプログラム。少しずつイメージする幅を広げながら、参加者の数だけイメージも違ったものになること(=答えは自由)を体感しました。他の参加者の意見を聞くと、そこからイメージに変化も生まれました。
「芸術は、正解がわかる、わからないではなく、イメージには色々な可能性があるということ。
正解(伝えたいこと)をわかって欲しいということではないのではないか。
個々の違うイメージを楽しめるようになれば、コミュニケーションは豊かになると思う。
芸術は答えのない問い。それは人生にも同じことが言えるのではないか。
それぞれがどんな答えを持ったか楽しんで欲しい。答えは自由なのだから。」と、内藤さんはおっしゃっていました。
演劇の考え方、感じ方、演劇をつかって、芸術の感じ方を学ぶというプログラムのワークショップでしたが、参加された皆さんの中にも自由に、様々な感想が生まれたのではないでしょうか。