【レポート】BLACK BOTTOM BRASS BAND Live!
- 開催日
- 時間
- 14:00~
- 会場
- サントミューゼ 小ホール
サントミューゼ開館以来恒例の「BLACK BOTTOM BRASS BAND」(以下、BBBB)のライブは、例年より早い時期の開催となりました。BBBBは結成31年目、日本を代表するニューオーリンズジャズのブラスバンドで、打楽器と金管楽器の6人編成です。
クラリネットと陽気な歌声のジャズが控えめに流れる開演前の小ホールは、赤ちゃんからご年配の方まで、多くのお客様で埋まっています。今年は上田市内の小学校4校でクラスコンサートを開催したこともあってか、お子さんの姿が目立ちます。
音楽がフェイドアウトして舞台が暗転すると、陽気なマーチングが座席後方から鳴り響きます。ベースドラムANTONさん、スネアドラムSEIYAさん、そしてスーザフォンのTAMOTSUさんのリズムトリオと、YUTA919さんのトランペット、テナーサックスのIGGYさん、トロンボーンのYASSYさんの管楽器トリオが通路を進んできました。「待ってました!」とばかりに高く挙げた手を叩くお客様の姿もあります。ステージに上がったBBBBのメンバーたちは、まずは準備運動をしましょうと客席に呼びかけます。両手を挙げてシェイクし、体をほぐします。
グロートーンの効いたIGGYさんのサクソフォンが印象的な「キャンデー☆ステップン」、ANTONさんのベースドラムの音がお腹に響く『多摩川探検隊』と続きます。トランペットのYUTA919さんが「サントミューゼ開館10周年、おめでとうございます」と切り出し、改めて挨拶します。まずはお約束の客席との“エア”握手、ハイタッチ、ハグから。例年は晩秋の上田訪問が初秋になったことで、「上田に来てぶどうばかり食べています」というYUTA919さん。「ニューオーリンズ音楽をビシャビシャに浴びて帰ってください」と言って、メンバー紹介に移ります。
4曲目は、お祭りナンバーの『ワッショイ★ブギ』。拍手する両手をどんどん上げていき、YASSYさんがデスボイス(ダミ声)で「わーっしょい!」と言います。「今年残り4か月、上げていこう!」と客席を煽ると、お客様が立ち上がって会場は「イェー!」とヒートアップします。
そのままスウィング・ジャズの代表曲『Sing, Sing, Sing』へなだれ込みます。SEIYAさんのソロは、長いロールと小気味よいリムショットが冴えていました。次の曲の『Just in time』は一転しっとりとしたナンバーで、YUTA919さんのトランペットソロが心に染み渡ります。
ここでANTONさん作曲の「燃えているか」の前説へ。ヘビメタとニューオーリンズジャズを組み合わせた異色の曲に合わせて、「ライ!」「ぬかりなし!」のコール&レスポンスにトライ。そのうち、なぜか八代亜紀の『舟唄』の替え歌を口ずさみ始めるANTONさんの姿に、笑いが起きます。「燃えているかー‼」の掛け声で曲がはじまりました。
『Viento』の演奏をはさんで、今年久しぶりに行ったクラスコンサートで小学校の子どもたちとジャズの動きを楽しんだお話や、2016年から続くサントミューゼでの公演ポスターの話題へ移ります。
後半は『Straight Ahead』で勢いがつき、フォークソングの『Iko Iko(アイコ アイコ)』ではANTONさんが客席にスタンディングを促してTAMOTSUさんのソロを「エイサ! ヨイサ!」という掛け声とともに盛り上げます。『Time of our life』はエコーが美しいスローナンバー。ラストの『Go my way』ではYUTA919さんのかっこいい歌声が披露されました。
「ニューオーリンズ音楽のスウィングとパレードをテーマに、もっともっと愛される音楽を上田の街に届けたいと思っています」とYASSYさんがしめくくり、1時間強の熱いステージが終わりました。
アンコールは“健康ジャズ”と銘打った『DARUMA』。長生き祈願として、YUTA919さんがトランペットのロングトーンを響かせると、客席も一緒に息を吐き続けるように大いに沸きます。
最後は、恒例の市民参加企画、『聖者の行進』の演奏です。ウクレレ、トランペット、アルトホルン、トロンボーン、サクソフォン、スネアドラム、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、クラリネット、バスクラリネット、カホン、タンバリンと、昨年より楽器のバリエーションも参加者も増えています。中には、片手鍋と”すりこ木”というオリジナル楽器を手にした男の子もいました。客席を練り歩くと、演奏者と聴衆の垣根がなくなり、この日いちばんの盛り上がりとなりました。客席からの大きな拍手には指笛も混じって、華々しいフィナーレです。最後はYASSYさんの掛け声で「ワッショーイ!」を斉唱して終わりました。
オリジナル楽器で舞台に上がった小学生の男の子は、「ウキウキして楽しかったです」と感想を教えてくれて、高揚感を味わっている様子でした。
小諸市から来た女性は、「すごくかっこよかったです。メンバーのみなさんのお客さんを巻き込む力もすごかったです」と、ライブを心から楽しんでいたようです。
【プログラム】
オリジナル:マーチング
オリジナル:キャンデー☆ステップン
オリジナル:多摩川探検隊
オリジナル:ワッショイ★ブギ
ルイ・プリマ:Sing, Sing, Sing
オリジナル:Just in time
オリジナル:燃えているか
オリジナル:Viento
オリジナル:Straight Ahead
フォークソング:Iko Iko
オリジナル:Time of our life
オリジナル:Go my way
【アンコール】
オリジナル:DARUMA
黒人霊歌:聖者の行進