【レポート】アート作品撮影講座
- 会場
- サントミューゼ
2022年 上田市立美術館「みる×つくる×まなぶ プログラム」
7月23日(土) カメラ・写真の基本講義
7月24日(日) 撮影デモンストレーション(講師による)
7月30日(土) 参加者による撮影実践(レタッチの基礎も含む)
主に市民アトリエ・ギャラリーにて開催されました。
講師はサントミューゼの公演や、美術館の作品、展覧会の撮影を数多く手がけている齋梧伸一郎(齋梧写真事務所代表)さんです。
3日間を通して、写真・カメラの基礎の座学から、参加者の皆さんによる自身の作品の撮影の実践、最後にレタッチまでを行いました。
【1日目】
まずは基本講義です。デジタルカメラの特性、使用する機材の概要、カラーマネジメントなどを教わります。
アート作品を撮影する為には、専門の知識と機材環境が必要になります。
また高度な撮影をするにはカメラの他に、照明、パソコンと編集ソフト、ディスプレイなども相応のものが必要で、その作業手順なども解説していただきました。
次の日のデモンストレーションに先駆け、機材の基本的な使い方などをレクチャー。
参加者の皆さんも真剣にメモをとっていました。
【2日目】
様々な種類の作品を想定して、撮影のデモンストレーションを行いました。
額装された平面作品の想定として、写りこみの状態が分かりやすい鏡の撮影に始まり、厚塗りされた油絵や人物彫刻、工芸品などそれぞれを撮影する際の考え方、照明の使い方などを学びました。作品の大きさ、表面の質感など微妙な条件の変化によっても様々なセッティングがあることがわかりました。
【3日目】
いよいよ参加者の皆さんが、それぞれ持参した機材を使用して自身の作品を撮影します。これまでのレクチャーを活かして、朝から各自作業に集中していました。平面の絵画作品については色彩の再現がシビアに要求されますし、立体作品については照明の当て方によってガラリと雰囲気が変わります。
参加者の皆さんから出た様々な質問に丁寧にお応えする齋梧さん。時間一杯まで解説と実演をしてくださいました。
撮影後は上田市マルチメディア情報センターに移動し、画像編集ソフト(Adobe Photoshop)を使ってレタッチを行いました。皆さん長時間の講座にかかわらず、最後まで熱心に受講されていました。
今回はアート作品の撮影を長年手がけてきた齋梧さんの撮影テクニックを非常に短時間で教えていただくことができました。奥の深いアート作品の撮影ですが、参加者の皆さんはその基礎を身に付けていただけたのではないでしょうか。プロの仕事を簡単に身に付けることはできませんが、自分で一定の時間をかけて実践し、疑問があれば調べて解決していく事で必ず上達していくものだという齋梧さんのお話が印象に残っています。
講師の齋梧さん、遠方からも参加してくださった参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
Text:清水雄(当講座企画・担当)