【レポート】BLACK BOTTOM BRASS BAND feat. 綾戸智恵
- 会場
- サントミューゼ
2017年1月29日
BLACK BOTTOM BRASS BAND feat. 綾戸智恵
BLACK BOTTOM BRASS BAND(以下BBBB)が綾戸智絵さんと初めて出会ったのは、今から20ほど前のこと。
YASSYやMONKEYがまだ大学生時代にまで遡る。
以降それぞれのフィールドで活躍し続け、2014年に発表した綾戸智恵さんの『Picture in a Frame』にBBBBが参加したのを機に、一緒にライブをするなどの機会が増えていった。
2組によるコンサート当日、会場となる大ホールには小学生から年配者まで幅広い世代が訪れていた。
上田市で行ったアウトリーチ活動でBBBBに興味を持った人、昔から追いかけている県外のファン、綾戸智絵さんに会いたくて市外から来た人などさまざまだ。
いよいよ開演。
高揚感をさらに高めるSEが流れ、正面のステージに注目が集まる中、1階席後ろからBBBBが登場。
マーチングを演奏しながら通路を練り歩き、観客はリズムに合わせるように手拍子で応えた。
2曲続けて演奏したところで、「温まってきた~?」とYASSYさん。
観客の反応を聞いてから、『ワッショイブギ』へ。
手のひらは天井を押すように上げて、YASSYさんの「わっしょい!」のコールにつづいて観客もレスポンス。
しかし観客の声がまだ小さい。
そこでYASSYさんは、
「2017年は今までよりもみんなでおもしろくしていきましょー。その前に出しておきたいものがありましたら、このホールに捨てて帰りましょう。コンサートを終えた時には、気持ちよく帰ってもらいたい」
と話して、さまざまな言葉で何度もコール&レスポンス。
徐々に観客の声も大きくなって、コンサートというよりもまるでお祭りのようなにぎやかさが生まれた。
3曲を終えてあらためてメンバーが挨拶。
今年で結成24周年となり、Dirty Dozen Brass Bandに憧れて始めたことなどを話した。
またコンサートの前の週に行われた長野大学や上田西高校でのアウトリーチや、上田市民吹奏楽団と交流を深めた話などで盛り上がった。
4曲目は20周年アルバムから『GATO』、MONKEYさんのサックスがかっこいい『東京の恋人』、そしてルイ・アームストリングの「Down By The Riverside」を演奏した。
前半のステージを終え、綾戸智恵さんが「まいど!」と元気よく登場。
サックスとの掛け合いがかっこいい「Caravan」、歌手生活20周年を記念して「月光値千金」を披露した。
話している間は大阪の気さくなお母さんといった雰囲気なのに、歌い出し一声目からぐっと人を惹き付ける声。
小柄な体からは想像がつかないほどの声量にBBBBの演奏が脇役となったり、主役になったりと絡み合うよう。
つづいて歌ったのは、「ハリハリハリホーっ♪」のかけ合いが楽しいキャブ・キャロウェイの「Minnie The Moocher」。
恥ずかしがる観客に向かって「歌わなきゃ損損損損損~♪」とアドリブをして観客を楽しませてくれた。
11曲目は綾戸さんの亡き父への弔いを言葉ではなく音楽で伝えようと作った「Picture in A Frame」を語りかけるように歌い、最後は一転してロック曲「Proud Mary」を披露。
綾戸さんが退場してからはもうひと騒ぎとBBBBが「スクリーマーズハイ」を演奏し、曲名どおりみんなで「わーっ!」と叫んでコンサートは終了。
メンバーがステージから去ると自然と観客からアンコールの拍手が鳴り、再びBBBBと綾戸さんが登場。
「ラストの曲は、次回来るための前奏曲だから。また上田に来たいなー」という言葉で締めくくって、エルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」へ。
関西人ならではのテンポの良いかけ合いはまるでコントのようだけど、ひとたび演奏を始めれば一気に観客を虜にする。
「気持ちよく帰ってもらいたい」といったYASSYさんの言葉どおり、2組のパワフルな演奏と歌に明日からもがんばろうとエネルギーチャージできたコンサートだった。