【レポート】BLACK BOTTOM BRASS BAND 南小学校クラスコンサート
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2020.11.9(月)
上田地域5つの小学校でクラスコンサートを行なってきたBLACK BOTTOM BRASS BAND(以下「BBBB」)が最後に訪れたのは、上田市立南小学校です。
この日は5年生108人が体育館に集まり、室内の換気を十分に行い児童たちの声出しはしないなどの新型コロナウイルス感染拡大防止対策を取りながら、45分のクラスコンサートを行いました。
子供たちが体育座りで待ち構える中、「聖者の行進」を演奏しながらにぎやかにBBBBが登場。誰に促されるでもなくその場にいるみんなが自然にリズムに乗りながら手拍子とともに出迎えました。そして、「さわがしいおじさんたちが来たよ〜」と子供たちを笑わせ、場を和ませながらメンバー全員がソロ演奏をしつつ自己紹介。
短い時間ながらジャズでみんなと遊びながら楽しもうと、「家にいる時のようにリラックスして。姿勢も自由でいいよ」と促すと、ごろんと寝転がったり足を投げ出したりして応じる男子児童もちらほら。
楽しげな雰囲気の中でまずはジャズに大事なリズムについて紹介。このリズムを生み出すのがステージでは後ろのほうにいるバスドラムのANTONさん、スネアドラムのSEIYAさん、チューバのTAMOTSUさんです。そして太鼓を叩くと空気の振動となって音になっていくことなど楽器の仕組みについて紹介。さらに、大きなチューバは実際に何kgあるのかクイズを出すと、12.5kgあることを知った児童たちがおどろきの表情を浮かべる一幕も。
つづく前にいる3人、左からテナーサックスのIGGYさん、トランペットのYUTAさん、トロンボーンのYASSYさんも同様にそれぞれの楽器について触れながら音の特徴を伝えていきました。
ひと通り楽器紹介を終え、彼らの代表曲『ワッショイブギ』の演奏が始まります。いつもであれば「わっしょい!」「わっしょい!」のコール&レスポンスがくり返されるこの曲も、コロナ対策に応じて声出しはNG。その代わりに子供たち各々が全身を動かし、心から楽しんでいる様子が伺えました。
楽器紹介に続いて、ジャズミュージックの歴史を紹介していきます。130〜140年前にアメリカで誕生したジャンルで、喜びや自由を音にのせていると説明。そこで大切なのは“スゥイング”だとYASSYさん。スウィングとは音楽を聴いているときに自然と体が揺れ動くような「リズム感」を指し、演奏者が曲の「躍動感」を表現している時、または演奏スタイルとしても使われているそう。
今回は児童たちに「自分がどういうリズムの時に体が自然に揺れ動くのか探ってみよう!」と呼びかけて、ジャズバージョンにアレンジした南小の校歌や、名曲『Sing,Sing,Sing』を演奏しながら自由に体を動かす時間を設けました。
つづいて今度はANTONさんとSEIYAさんのチームに分かれて、それぞれが叩く音を手と足で表現。自分自身の体で音を出す面白さを味わうコーナーに。
そして最後は体育館を自由に動いていいよというかけ声とともにマイケル・ジャクソンの『I want you back』などを演奏。リズム感あふれる音楽に合わせてひたすら走り回る子、場所によって聴こえ方の違いを模索する子、ジャンプする子、友だちと手をつないで行進する子など、思いおもいのスゥイングを体現してあっという間にアウトリーチは終了。
BBBBのメンバーが去った後も、興奮冷めやらない子供たちの満面の笑みがとても印象的でした。