サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター・上田市立美術館) おかげさまでサントミューゼは10周年

JA

【レポート】BLACK BOTTOM BRASS BAND Live!2022

みる・きく
会場
サントミューゼ

BLACK BOTTOM BRASS BAND Live! 2022

2022年11月6日(日) 14:00開演 @サントミューゼ小ホール

 

トランペット、トロンボーン、サックス、スーザフォン、スネアドラム、ベースドラムの6人編成ジャズバンド「BLACK BOTTOM BRASS BAND」(以下、BBBB)は、日本唯一のニューオリンズスタイルのブラスバンド。今秋もサントミューゼに帰ってきてくれました。公演の模様をお伝えします。

 

素早く明滅するフラッシュライトの中、メンバーが登場します。1曲目は「Like the Wind」。ブラスバンドらしい体を心地よく直撃する音に包まれ、会場は早くも熱い空気に支配されます。

 

 

2曲目の「ストロベリーダンスアワー」が終わると、トランペットのYUTA919さんが「上田シティー!」と叫んで喜びを弾けさせ、コロナ対策で1席ずつ空けていた昨年と違って客席が埋まっている様子に感激している様子です。「来たからには全力で楽しんでいきましょう!」と声をかけ、“エア”握手、ハイタッチ、ハグを客席と交わします。

 

メンバー紹介をして、ニューオーリンズジャズ独特のノリをお客様に体感してもらう“グルーヴ講座”へ。客席へ右手を挙げるように促し、「グルーヴが来たら手でつかまえてください」と伝えます。まずグルーヴを生み出す要のベースドラムANTONさん、スネアドラムSEIYAさん、そしてスーザフォンのTAMOTSUさんが音を出します。「これ、毎日やっているんですよ。でもグルーヴって毎日違うので、飽きないんです」という話から、BBBBが来年結成30周年という話題へ。

 

そして「前の3人は賑やかしです」と冗談を飛ばしつつ、ホーンセクションとしてサックスのIGGYさん、トロンボーンのYASSYさん、そしてYUTA919さんを紹介します。

 

「体の力を抜いて海に漂うクラゲになったつもりで聴いてほしい」と紹介した「跳んでブルージェリー」をはさんで、「ワッショイ★ブギ」へ。天井をぶち破るように「ワッショイ」と両腕を挙げる振りをYASSYさんがレクチャーします。「2023年、もっと明るい世界に行けるように、そんな気持ちを込めてみなさん行きましょう!」と盛り上げます。

 

 

「怪異の森」の後は、「あったかい会場の空気をサーッと冷やしていきますよ」とANTONさんが笑いを取ります。怪談話が好きで収集しているというANTONさんが怪談風味の小さな恋のポエムを読み、レゲエ調の「幽霊のいるカフェ」へ。最後、ベースドラムを叩いて“お清め”するおまけもつきました。

 

続いて「黄昏ソウル」、ルイ・アームストロングのカバー「What A Wonderful World」を哀感たっぷりに聴かせます。

 

笑いの絶えないMCに続き、9曲目は演歌を取り入れた「一本節」で、「一本、一本」という振りとともに、髪の毛をちょんまげ風に一本に結わえたYUTA919さんが、のびのびと歌声を響かせます。

 

 

そのまま、エリック・クラプトンのカバー曲「Change the world」、そして昨年出たオリジナルアルバムのタイトル曲でバラードの「激情」へ。最後は「逆さま男」「Pumpkin」とファンキーな曲で公演本編は終了しました。

 

「もっと聴きたい!」というお客様の気持ちがにじみ出るようなアンコールの手拍子が鳴り響きます。Tシャツに着替えたメンバーがステージに再度登場し、まずはBBBBが提唱する“健康ジャズ”の「DARUMA」。この曲もおなじみの振りがあり、お客様は音楽ですっかりほぐれた体を揺らしていました。

 

そして、前日のワークショップの参加者がステージに上がり、「Sing, Sing, Sing」をBBBBと共に披露します。練習時は硬さのあった演奏はどこへやら、思い切ったノリノリの演奏で心から楽しんでいる様子が伝わってきました。最後は、当日開催のワークショップ参加者も合流して「聖者の行進」です。今回は、ブルースハープやテナーサックス、鍵盤ハーモニカ、リコーダーなど、楽器も世代も多様でした。

 

 

いつもはクラシックの公演に来られるというご夫婦は「BBBBは初めてでしたが、楽しかったです。ワークショップの参加者が入るのも面白かったです」と感想を教えてくれました。リコーダーでステージに上がっていた女性のうちおひとりは、埼玉からわざわざ足を運んでくださったのだとか。「リコーダーや管楽器をやっていたので、参加しました。楽しかったです」と、満面の笑みでした。トランペットをやっていたという男性は「迫力満点でした。それぞれのプレイヤーがうまいですね。ちゃんとスーザフォンが入っているのが嬉しかったです」と、白杖を手に会場を後にしていました。

 

【プログラム】

オリジナル:Like the Wind

オリジナル:ストロベリーダンスアワー

オリジナル:跳んでブルージェリー

オリジナル:ワッショイ★ブギ

オリジナル:怪異の森

オリジナル:幽霊のいるカフェ

オリジナル:黄昏ソウル

ルイ・アームストロング:What A Wonderful World

オリジナル:一本節

エリック・クラプトン:Change the world

オリジナル:激情

オリジナル:逆さま男

オリジナル:Pumpkin

 

【アンコール】

オリジナル:DARUMA

ルイ・プリマ:Sing, Sing, Sing

黒人霊歌:聖者の行進