【レポート】小野明子ヴァイオリンコンサートin立科町
- 会場
- サントミューゼ
上田地域定住自立圏連携事業
小野明子ヴァイオリンコンサートin立科町(ピアノ:伊東晶子)
2017年12月13日(水)at 立科中央公民館大会議室
ぐっと気温が下がった12月の平日、夜の開催にも関わらず多くのお客様が公民館に来場されました。
この日は上田市と近隣地域が連携・協力する政策「上田地域定住自立圏」の連携事業として立科町にてコンサートが開かれました。
1曲目は、ヴァイオリンで語りかけるような演奏が印象的なエルガー作曲「愛のあいさつ」から始まり、
「寒い中お越しいただきありがとうございます。今日は音楽で温まっていただけたら」とヴァイオリニストの小野明子さんが挨拶。
イギリスから2日前に帰国してから最初のコンサートなので良いスタートを切りたいと想いを伝えました。
2曲目に入る前には、初めて小野さんが海外旅行をしたチェコの話に触れました。
チェコの作曲家の1人・ドヴォルザークの曲は、小野さん自身が3・4歳のころから弾いていたことからレパートリーになっているそうで、
急きょプログラムには入れていなかった「ユーモレスク」を演奏しました。
つづくワーグナー作曲の「ロマンス」は、3年前に小野さんの恩師が演奏しているのを聴いて自分でもレパートリーにしたいと練習したそうで、前の曲とはまたガラリと雰囲気が変わるヴァイオリンの伸びやかな音色が美しい作品でした。
一般的にイタリア製のヴァイオリンが多い中で、小野さんは200年前に作られたスペイン製のものを使っているということからファリャ作曲の「スペイン舞曲」へ。
繊細な指使いと情熱的な演奏に圧倒されたかのように、終了すると客席からはどよめきとともに大きな拍手が送られました。
「ここでもう1曲追加したいと思います」と、クライスラー作曲の「レチタティーボとスケルツォ」をヴァイオリンソロで演奏し、
情熱的なフラメンコを連想させた「スペイン舞曲」から一転して重厚な響きを感じさせました。
「多くの人に馴染みがある曲ですね」というコメントをして演奏したマスネ作曲の「タイス瞑想曲」は、心地よいビブラートが音に膨らみや華やかさを与えていました。
最終曲は、8歳のころから演奏していたサラサーテ作曲「チゴイネルワイゼン」を演奏。
「名曲なだけに何度演奏しても味わい深いものを感じます」と小野さん。
「シェフのように臨機応変にプログラムを作る」という言葉どおり、お客様の反応を見ながらアンコールにはパラディス作曲「シチリアーノ」とモンティ作曲「チャールダーシュ」を演奏。
終演後にはCDを買い求め、小野さんに感想を伝える人でにぎわいました。
演奏中の凛とした表情とは異なる、気さくな雰囲気に満ちた人柄に「よりファンになりました」と笑顔で話す人も。
近い距離でプロの演奏とその人柄を感じられるコンサートに、満足して帰る人たちの姿が印象的でした。