【レポート】デュオ・レゾネ アーティスト・イン・レジデンス中央地域
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【レポート】デュオ・レゾネ アーティスト・イン・レジデンス中央地域
2017年6月21日(水)クラスコンサート at 北小学校
「デュオ・レゾネ」は、クラリネットの亀井良信(よしのぶ)さんとピアノの鈴木慎崇(よしたか)さんからなるデュオ=2人組の演奏家です。
サントミューゼの2017年度「芸術家ふれあい事業」のレジデントアーティストとして、
上田市中央地域でアウトリーチ公演などを行うふたりが、上田市立北小学校で6年生に向けた小さな演奏会を開きました。
音楽室を会場に、鈴木さんの息継ぎを合図に演奏がはじまります。
まず、フォスタン・ジャン=ジャンという作曲家の「ギスガンドリー」。
フレンチカンカンを題材にしたという軽快な音楽に続き、ミヨーの「スカラムーシュ」3曲目の「ブラジルの女」へ。
「リオのカーニバルでサンバを踊る女性のイメージ」という説明どおり、こちらも踊りだしたくなるような楽しい曲でした。
次に、亀井さんによるクラリネット解説へと移ります。
クラリネットは「グラナディラ」という豆の木の一種でできていて、7つに分解できることを実演してくれました。
そしてストラヴィンスキーがクラリネットのために書いた「クラリネットのための3つの小品」の中から、ロシア民謡にインスピレーションを得た曲が演奏されました。
亀井さんが椅子の間を歩きながら吹くと、間近に音色を聴く子どもたちから笑みがこぼれました。
続いて鈴木さんの「ピアノも分解してみましょう」という言葉に、児童たちから「え!」「マジか!」という声が上がります。
子どもたちがピアノのまわりに集まると、鈴木さんは譜面台や蓋などを取り除き、鍵盤やハンマーが一体となった「アクション」と呼ばれる部分を手前に引き出して、音の出る仕組みを説明してくれました。
そして、みんなでピアノを囲んだまま、鈴木さんの奏でるショパンの「子犬のワルツ」を聴きました。
演奏は、ルトスワフスキの「ダンス・プレリュード」、プーランクの「クラリネット・ソナタ」へと続きます。
「クラリネット・ソナタ」では、「聴きながら色を思い浮かべてほしい」という亀井さんと鈴木さんからの要望に応え、聴き終わった子どもたちが「グレー」「最後は緑だった」「私はオレンジ」など、それぞれがイメージした色を伝えます。
色や風景を思い浮かべたり、楽しくなったり悲しくなったりする気持ちの変化を感じながら聴くと、難解な曲でも楽しめること。
正解はないので、それぞれのやり方で音楽を楽しんでほしいことが、ふたりから伝えられました。
そして全員で校歌を歌いました。
さすが6年生と思わせる美しい二重唱と、クラリネットとピアノの音色が、美しく響き合いました。
最後は質問コーナー。
子どもたちからの質問は「なぜ管が長くなると音が低くなるのか」「どうやってあんなに長く息を続けることができるのか」「ピアノのペダルの役目は」などなど。
そして「クラリネットを分解しながら吹く曲はあるか」の質問に答え、ビゼーの組曲『カルメン』の「ハバネラ」と『アルルの女』の一節が演奏されました。
亀井さんがクラリネットを下から順に分解しながら吹く姿に歓声が起こり、演奏後は大きな拍手がふたりに送られました。
さて、デュオ・レゾネのふたりは、6月24日に中央公民館で、25日に川西公民館でワンコインコンサートを行います。
[地域ふれあいワンコインコンサート詳細ページ]
そして7月22日には、サントミューゼでリサイタルを行います。
クラリネットとピアノ、ふたりの響き合う音色をぜひお聴きください。