サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター・上田市立美術館) おかげさまでサントミューゼは10周年

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【レポート】子どもたちのチャレンジ芸術工房~本番編~

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サントミューゼ

こどもたちのチャレンジ芸術工房 本番公演
2017年8月13日(日) at 大スタジオ

 

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疾走するように創作を続けた4日間を終えて、いよいよ「こどもたちのチャレンジ芸術工房」が本番を迎えました。

 

いつもと同じ時間に集まった子どもたちには初日の気恥ずかしそうな様子はなく、すっかりみんな仲良くなってかけ回っています。
創作期間との違いは、客席空間です。

 

 

色も形も大きさも違う、さまざまな客席はこの作品の世界観を表す舞台美術のよう。

同時に、いよいよ本番を迎える雰囲気に満ちていました。

 

 

それでも子どもたちはいつもと変わらず、むしろ大人たちが緊張した面持ちでした。

 

 

「今日は元気もってきた? やる気は?」と問いかけた有門さんが問いかけます。

再び120%の力を出すことの大切さと「失敗してもいいから、自分の最大限で舞台に立とう!」と鼓舞してから、本番までの流れを説明しゲネプロへ。

場当たりでの修正指示などもしっかり反映され、大きなミスなどもなく終了。
ランチタイムを覗くと、それぞれがゲネプロで感じたこと、修正したいことをチェック。

「まだ緊張していないよ!」「楽しみ!」という子どもたちが無邪気に話す一方で大人たちは若干緊張した面持ちで本番公演を迎えました。

 

 

 

観客席には参加した小学生の両親や兄弟姉妹、祖父母の方をはじめ、リーダーやサブリーダーの友人たちも多くつめかけました。

 

絵本「へんなことってどんなこと?」の朗読からオープニング曲「オトナノススメ」を元気いっぱい歌って、踊って、1チーム目「ハッピーキッズ」から発表。

 

 

サンタさんを信じている4人の兄弟姉妹と、信じる気持ちを無くそうとする魔王、さらには本物のサンタクロースが登場しながら、1つの家族の日常から何かを信じるというまっすぐな気持ちの大切さを感じるような作品。

 

 

 

 


つづく「88(ダブルエイト)」は、お父さんを探しに来た息子が異世界に迷い込み、さまざまな妖精たちからアドバイスをもらいながら旅をするという作品。

 

 

 

 

 

 

それぞれのキャラクターが際立っていて、客席からもたくさん笑いが生じていました。

 


最後に披露した「A Big?」は、さまざまな国や時代に生きる人たちがある1人の青年によってその場所からいられなくなってしまった4人の物語。

 

 

彼らはその後、生まれ変わりセンターに集まって、みんなの敵である青年を倒しに行くことを決意。

冒険や戦いをしながらも実はその青年は悪者ではなかった! という展開と、合間にくり広げられるドタバタ劇は客席の笑いを誘っていました。

 

 

 


3チーム目の作品のラストシーンは有門さんが台本を作り、最後はすべてのチーム作品が1つにつながって全員が登場し、エンディング曲「ビューティフルネーム」を歌って幕を閉じました。

 

 

 

 

 

終演後は、子どもたち、舞台さんをはじめとするサントミューゼスタッフ、そして子どもたちの家族が集まって交流の時間を過ごしました。

 

そこには、

「子どものあんなイキイキとした姿は初めて見た」

「普段はもの静かなのでおどろいた」

という、喜びと、おどろきと、子どもを誇らしいと思う両親の興奮した姿がありました。

そんな両親の言葉を聞いて、子どもたちはとてもうれしそう。

 

 

「小学生が参加するワークショップでありながら、実は大人がチャレンジする面のほうが大きかったかなと思います。

今回サントミューゼで行うのは初めてだったので、大人と子ども分け隔てなくみんなが1年生。

大人になるとどうしても自分がやりやすいように物事を考えて、進めてしまいがちです。

そうするのではなく、みんなで想像して、創造して、協力し合えるように仲良くなって、会話をしていく。

『言葉は魔法』なんです。実はどんな時にもこういう力が必要なんです。

それが演劇の面白さであり、強みです」と有門さん。

 

知らない者同士が5日間をともに過ごして劇を完成させていく課程には、たくさんの言葉が交わされていき、強い結びつきを生んでいきました。

分かれ間際、ワークショップが終わってしまうことを惜しむ子どもたちばかり。

「明日から会えないなんて寂しい」「来年も参加したい!」と何度も何度も言葉をかけ合いながら帰っていきました。

 

 

 

『言葉は魔法』―。

5日間で交わし合ったたくさんの言葉は、その場にいたみんなの心に残っているのではないでしょうか。