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【レポート】小川典子 アーティスト・イン・レジデンス真田地域

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【レポート】小川典子 アーティスト・イン・レジデンス真田地域
2017年6月6日(火)クラスコンサート at 傍陽小学校

 

 

世界的に活躍するピアニストの小川典子さんが真田地区にある傍陽小学校を訪れ、4年生14人と5年生17人を対象にアウトリーチ活動(クラスコンサート)を行いました。
拍手に迎えられて颯爽と登場した小川さんは「こんにちは」と声をかけると子どもたちは元気よくそれに応えました。

「これから45分間、ピアノの演奏を楽しんでいただきます。今日1曲目に演奏するのはモーツァルト作曲のトルコ行進曲です」と話すと、子どもたちからは曲名でわかったのか「ああ~っ!」と反応が。

 

 

一方的に話すのではなく、子どもたちとの掛け合いを楽しみながら1曲目を披露。

ピアノを弾く姿から一音一音をとても丁寧に、曲を紡いでいく印象を受けました。

演奏を終えて、傍陽小学校で先日行われた運動会の話へ進み、その流れから2曲目のドビュッシー作曲「運動」へ。

 

指がピアノの上でまるで運動しているようで、子どもたちがじっと指先を見つめながら聴いている姿が印象的でした。

 


つづいてショパン作曲「子犬のワルツ」「バラード第一番」を続けて披露。

小川さんは後ろの壁に貼られた作曲家の年表にも話題をふりながら、ショパンの曲はとても綺麗でお洒落な印象だと伝えていきます。
「子犬のワルツ」は、音の強さやスピード感が楽しい1曲で、小川さんが演奏する手の動きの速さに子どもたちも集中して見たり、聴いたりしていきました。

明るい印象の曲から一転して「バラード第一番」を演奏。

 

前半は物思いにふけるような落ち着いた美しい旋律から感情の起伏がたくさんの音とともに押し寄せます。

ラストのきらびやかな音色の数々からは、純粋にピアノの音の美しさを堪能していました。曲を終えると感嘆まじりのため息とともに拍手が起こりました。

 

 

前半を終えて、小川さんの手元がよく見えるように席替えを行いました。そして後半の曲について話を進めました。

 

「音楽には大きく分けると2種類あって、題名が付いている曲と付いてない曲に分かれます。

この次に演奏するのはブラームス作曲の『間奏曲』で、今日演奏する中では一番理解が難しいかもしれません。

 

これは「絶対音楽」といって題名は付いていなくて、誰がどうしたとか書いてないけれど、曲を聴く中で何かしら幸せや悲しみ、怒りなどが出たり入ったり、浮かび上がったりします。

 

その後に演奏する曲はドビュッシー作曲の『月の光』で、とても有名な曲なので聴いたことがあるかもしれません。

タイトルからお月様がきれいに出ている夜の様子を思い浮かべながら聴く、これを「標題音楽」といいます。今からその2種類をつづけて演奏します」

 

 

フランスの作曲家ドビュッシーの後は、小川さんが拠点にしているイギリスの作曲家エルガーへ。

「威風堂々」などで知られる作曲家で、婚約の時に妻となる女性にプレゼントした「愛の挨拶」を演奏。

実はこの曲、傍陽小学校ではお昼に流れていることから子どもたちからも大きな反応が見受けられました。
そして最後にはリスト作曲「ラ・カンパネラ」を演奏して終了。

 

 

 

終始子どもたちとコミュニケーションを取り、開放的な雰囲気で進んだ45分のコンサートでした。