【レポート】Quatuor B 地域ふれあいコンサートin城南公民館
- 会場
- サントミューゼ
ワンコイン 地域ふれあいコンサートvol.31
2017年10月13日 城南公民館
Quatour B(クワチュール・ベー) サクソフォーンコンサート
週末を控えた金曜日の夜、城南公民館にはたくさんの人が詰めかけ、500円のワンコインで楽しめるコンサートの始まりを待っていました。
この日、地域ふれあいコンサートをしたのは、フランス語で「4人組」の「B」を意味するQuatour B(クワチュール・ベー)。
会場の後方からソプラノ・サクソフォーンの國末貞仁さん、アルトの山浦雅也さん、テナーの有村純親さん、バリトンの小山弦太郎さんの4人が、シャーマンのスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスを演奏しながら登場しました。
リズムに合わせて観客も手拍子をして1曲目からにぎやかにスタート。
自己紹介では、「香川県出身なので、讃岐うどんのようにつるっとコシがある演奏をします」(國末さん)、「中学までは野球部でした」(山浦さん)、「幕末の武士、有村次左衛門の末裔です」と有村さん、「柔道をしていて黒帯を持っています」(小山さん)と隠れたエピソードを話し、そのたびに客席からおどろきや笑いがこぼれていました。
つづく2曲目は、ベルギーの作曲家・サンジュレが4本のサクソフォーンのために作った、サクソフォーン四重奏曲第1番作品53より第四楽章を演奏。
全体を通して美しいアンサンブルが奏でられました。
「実は、サクソフォーンでクラシックを演奏するのはまだ珍しいんです。
皆さんもJAZZなどのイメージが強いのではないのでしょうか。
僕が10代のころ、地元にはまだサントミューゼのようなホールやアウトリーチ活動はありませんでした。
だからうらやましいですね。僕たちはサクソフォーンに魅了されてQuatour Bを結成して、クラシックの良さを伝えています」
と小山さん。
3曲目にはバッハの曲をセレクトして、弦楽合奏のために書かれたG線上のアリアを、その後には「観客の前で演奏するのは初めて」という弦楽四重奏曲第1番 ト短調 作品10より第四楽章を演奏しました。
「印象派といわれるドビュッシーは印象派ですが、例えば光と影、温かさと冷たさなど今までに無い感覚を盛り込んでいます。
実は彼はサクソフォーンのための曲を1つ書いています。
しかし当時はまだ楽器の市民権を得ていなかったのため書くのをしぶった結果、サクソフォーンのためのコンチェルトの予定が、オーケストラとサクソフォーンのためのラプソディに変わって完成したそうです」
と、ドビュッシーとサクソフォーンにまつわるエピソードも交えてくれました。
さまざまな歌謡曲を中心にしたメドレー曲につづけて最後に演奏したのは、イトゥラルデの小さなチャールダーシュです。
まるで歌うかのように華麗な音色に観客もリズムを取りながら楽しんでいました。
終了後の拍手からつづけてデューク・エリントンの「It Don’t Mean A Thing(スイングしなけりゃ意味がない)」、Quatour Bの「To B Continued」を演奏。
「外でも演奏できる、弦楽器のような音がする楽器としてサクソフォーンは作られています。
外でも可能にするために音量を調節できて、弦楽器のように早く弾いたり、歌うようにゆっくりするなどスピードの調節もできる」
とメンバーから語られたように、あらためてサクソフォーンの魅力、そしてQuatour Bのパフォーマンス力と人柄に触れた内容となりました。