【レポート】セレノグラフィカ OIDEYOハウスでのアウトリート
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セレノグラフィカによるOIDEYOハウスでのアウトリーチ
ダンスカンパニー「セレノグラフィカ」の隅地茉歩さんと阿比留修一さんは、1月下旬から2月にかけて上田市に滞在し、市民との交流を重ねながら舞台作品の創作に取り組んでいます。
滞在初日となる1月25日から3日間、上田市真田町傍陽(そえひ)にある「OIDEYOハウス」のみなさんと「雷グッズ」の製作をともにしました。
OIDEYOハウスは、就労移行支援を行う福祉事業所で、18歳から70代まで幅広い年齢層の約40名が、食品加工、農業、クラフト製作のいずれかの仕事に取り組んでいます。
ここから生まれるクラフト製品の代表作が「雷グッズ」です。
そのアート性は高く評価され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)や東京国立美術館のミュージアムショップでも展示されました。
雷グッズは、米袋にカッティングシートを貼り、バッグや財布、カードケースやブックカバーなどに縫製します。
看板屋さんからもらい受けるカッティングシートはピカピカして発色が良く、「雷」のイメージ。
また、とても丈夫で「“紙なり”にがんばっている」という意味も込められています。
いつもはワークショップなどでダンスを教える側のセレノグラフィカのふたりですが、この日はクラフト製作を行う10名ほどに手ほどきを受けました。
隅地さんと阿比留さんは、かねてから雷グッズの大ファンで、以前にOIDEYOハウスを訪れた際にいろいろ購入し、実際に使っていらっしゃいます。
久々の再会に、まずはセレノグラフィカが自己紹介のダンスを踊ります。
スピーカーから流れる太鼓の音や歌声に合わせて動くふたりの姿に、時に笑い声があがり、拍手が起こります。
ふたりは椅子に座る人たちの間を縫うように動きながら、みんなの顔をのぞきこんだり、手を合わせたり。
あっという間に和やかな雰囲気に包まれました。
続いて、机に向かっての作業に移ります。
ベースとなる米袋にカッティングシートをパッチワークのように貼っていくわけですが、やり方は人それぞれ。
正確にガイドラインを引く人や、カッティングシートを色ごとに小さく切りそろえる人もいれば、思うまま自由な形でどんどん貼っていく人もいます。
みんなの手もとに倣い、隅地さんと阿比留さんも手を動かします。
「特に会話をしなくても、一緒に手を動かしているだけで、とても楽しい」と隅地さん。
「貼り方も色づかいもみなさんそれぞれで、個性的ですね」と阿比留さん。
ふたりとも、ワークショップとはちがう参加者との時間の共有を楽しんでいました。
完成した作品は、上田市サントミューゼのアトリウムに展示されますので、ぜひご覧ください。
さて、2017年で結成20周年という節目を迎えるセレノグラフィカ。
2月18、19日には、サントミューゼ小ホールで舞台公演「とこしえに」が開催されます。
「男と女の身体がひとつずつ。そこには表現するうえで必要なすべてがあるように思います」と隅地さんが言うように、長年デュエットでダンスに取り組んできたセレノグラフィカの集大成となりそうです。
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2017年2月18日(土)・19日(日) 14:00開演(13:30開場)
小ホール
出演
Selenographicaセレノグラフィカ(隅地茉歩、阿比留修一)
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