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【レポート】鈴木ユキオダンスクリエーション

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サントミューゼ

鈴木ユキオ コンテンポラリーダンス創造公演 ワークショップ
2017年7月18日(火)~22日(土)
7月23日(日)に開催された『鈴木ユキオ コンテンポラリーダンス創造公演 』。

 

7月18日から5日間、鈴木ユキオさんの指導のもと公募で集まった17人がワークショップを受けました。参加したのは、10代から50代と幅広い年齢層で、ダンス経験の有無もさまざま。

果たしてこの5日間で、それぞれの身体にどのような変化と表現が生まれていくでしょうか。

 

18日(火)
午後6時と同時に初日のワークショップがスタート。

 

 

ペアを組んで見えないボールを頭や身体で受け止めて、またそのボールを相手に届ける動きからスタートし、瞬間をとらえて表現するトレーニングを行いました。

うまくコツが掴めず投げた後にポーズを作ってしまう人に対しては、「自分の動かしやすい動きのクセから脱却してみる。新しい身体の動きに挑戦してください」と鈴木さんがアドバイス。その後4人ずつ発表を行いました。

 

「みんなの動きがすごく面白かったです。

少し冒険して一歩踏み出すこと、チャレンジすること、普段の思考から一歩進んでみると、次の動きが生まれやすくなります。

例えば動物の動きってなぜかずっと見ていても飽きませんよね。

それは『動きが予想できない』から面白いんです。

でも頭で考えないで踊ると、身体の動きやすいところにしか動かさないものです。

だから一瞬はきちんと考えてみると。

そこからさらに脱線できて新しい動きが生まれていきます」

 

 

次は新聞紙を用意して、リーダー役が新聞紙をまるめたり、開いたり、ゆらゆらと揺らす指示に従って身体で表現。

 

 

後半には5月のワークショップですでに公演で作品として使いたいと言っていた動きを練習。

みんなで半円形に並んで、1人がその前を踊りながら駆け抜けて、自分の前を通り過ぎた瞬間の動きを真似していき、人間がカメラとなって連写していくような身体表現を行いました。

 

 

 

19日(水)
2日目の時点ですでに客席がセッティングされ、舞台スタッフも同席する中で練習が始まりました。

 

 

まずはペアとなって1人が5つの動きを相手に伝授し、教えてもらった側はその5つの動きを自分のペースで3回くり返していきました。

 

 

 

長さ、早さ、1つの動きの回数は自由で、さらに自分が考えた動きを2~3つ加えたオリジナルの動きを音楽に合わせて全員が発表。

1つ1つは動作でしかないけれど、組み合わせて連続すると踊りに変化。

 

 

 

休憩を終えた後は、スポットライトの光に手を入れて浮遊する何かを追いかけたり、触ったりするような動きを練習。

それを見ながら鈴木さんは「いいですね、30分くらい見続けていられる」と満足した様子。

このパートがどうやら創作公演のはじまりとなるよう。

 

 

「ただ動作をしているだけのようでも、つい見てしまう身体。それが僕にとってダンスです」

 

 

 

最後は赤、白、黒の3色で統一した衣裳チェックをして終了しました。

 

 

20日(木)
この日は、5月14日に鈴木さんが犀の角でプレビュー公演をした時に用いた音源の言葉に合わせて踊ってみるところから始まりました。

その後は鈴木さんが考えた構成に合わせて誰に何のパートを持たせるのか、そしてどのように表現していくのかをくり返し練習していきました。

しかし何度も練習していくと、その動きを覚えて慣れが生じてきました。

そのたびに「身体を見せるよりも、ディレクションを見せたい」「ディレクションに対して正直に動いた身体は見たくなる」と自分の動きから逃れるよう教えていきました。

 

 

 

最後は1人ずつに「自分が生きていると感じるときって、どんなとき?」をテーマにインタビュー録音を行って終了。

鈴木さんと参加者が1人ずつ対話をすることで、よりその人の個性をつかみ取ったようでした。

 

 

21日(金)
ワークショップも折り返し日となりました。

これまでは各パーツごとに練習を進めていきましたが、いよいよどのような順序になるのか通しで稽古をしていくように。

参加者は毎日何かしらの課題と向き合っていますが、ものすごい早さで吸収し、自分の表現の糧としていきました。

ここに来て、今までの身体の慣れた動きから開放されてきたのがはっきりとその表現から感じ取られていきました。

 

 

22日(土)
いよいよワークショップ最終日。

リハーサルでは本番の衣裳で練習を行いました。

 

 

ここで最終的なバランスを見ながら衣裳チェンジを行ったり、動き方の追加や変更、立ち位置などのバランスをチェックしていきました。
5日間全力で練習を重ねてきた参加者に話を聞くと、ほとんどの人が「筋肉痛です」と苦笑い。

それでも、「本番にむけて楽しみが勝っているから練習中はその痛みを忘れます」とたのもしい声も。

 

 

それにしても市民参加型のワークショップで類を見ないとんがったコンテンポラリーダンスの世界が創造されました。
はたして本番公演はどうなったのでしょうか!