【レポート】「真田丸」トークセッションin銀座-あの時、日本(ひのもと)には真田信繁がいた―
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7月15日(金)18:00、熱気と湿気が立ち込める銀座の夕刻、「真田丸」トークセッションin銀座-あの時、日本(ひのもと)には真田信繁がいた―と題し、真田氏の魅力や特別展「真田丸」の見どころを語る特別展「真田丸」上田会場オリジナルイベントを銀座NAGANOで行いました。
■平山さん、小日向さん登場
登壇者は、2016年NHK大河ドラマ特別展「真田丸」時代考証の平山優さんと、歴ドルで2016年NHK大河ドラマ特別展「真田丸」オフィシャル応援勇士及び信州上田観光大使を務められている小日向えりさん。小日向さんの涼しげで美しい浴衣姿は、会場に爽やかな空気をもたらし、平山先生も笑顔で登場。聞き手は、当館学芸員の小笠原正が行いました。
銀座NAGANOは、首都圏における長野県のアンテナショップであることから、はじめに上田市シティープロモーション推進室が物産等について紹介し、登壇者も参加者も上田の名産を試飲・試食しながら、和やかな雰囲気でトークが始まりました。
(こちらは、紙で作った家紋のランチョンマット。家紋のディスプレイは、当館展示の特徴の一つです。)
■NHK大河ドラマ「真田丸」について
平山先生より、今回の大河ドラマ「真田丸」を貫くコンセプトの一つとして、「2代目の苦悩と成長の物語」だとお話がありました。
「偉大な父を持ち、自分の責任を全うしつつも翻弄され苦悩する2代目の描き方、史実を非常に勉強された上で調理する、三谷さんは本当にうまい」とのお話に、一同うなずき、納得の表情。
今回の大河ドラマで印象的なシーンは、平山先生が「勝頼ロス」現象にもなった勝頼最後の場面、小日向さんは、竹内結子さんの小悪魔的で魅力的な茶々像だそうです。
また、小日向さんからは、真田昌幸役の草刈正雄さんから伺った話として、約30年前に放映された「真田太平記」で、昌幸役の丹波哲郎さんが信之役の渡さんと幸村役の草刈さんに六文銭入りの短刀が送られ、草刈さんが大変感動したことから、今回昌幸役の草刈さんが、信之役の大泉さんと信繁役の堺さんに、短刀をプレゼントしたという逸話も。会場からは驚きの声があがりました。
■特別展「真田丸」上田会場の気になる展示資料について
小日向さんは、信繁が着用したと伝わる「鉄二枚道具足」と昌幸の叔父の矢沢頼綱所用の「鳥居門旗指物」。
平山先生は、長篠合戦で戦死した真田家当主・信綱の首を包んできたとされる「血染めの陣羽織」、天正年間築城当時の上田城の様子を伝える「天正年間上田古図」、上田の城下町と外郭地帯の成立がわかる「城下囲村図」。また先日発見された新資料の「真田丸」についてもお話がありました。
そして小日向さんから、「昌幸の肖像画が実は信幸、信繁の肖像画が実は信綱という説について、平山先生の見解を聞きたい」と質問が。平山先生は、確かに「箱書きと内容が矛盾している」とした上で、「江戸時代の真田家中は昌幸、信繁と信じて転写し、大切にしてきた。偉大な祖先をもつ真田の誇り、一種の信仰でもある。これが種本となって多くの写本が生まれてきた事実に注目したい」と回答。
「真田昌幸画像」(高野山蓮華定院)
「真田信繁画像」(高野山蓮華定院)
新発見の資料等で日々変化する歴史。若かりし日の信繁は、実際どんな御顔だったのでしょうか。また、昌幸の画像が死亡年齢よりは老けているから信之だという説について、平山先生は、私のように、年齢より若く見える人もいればその逆もあると言って、会場を笑わせました。
小日向さんは、「いままで信じてきた昌幸候と信繁候のお姿であると信じて、本物を拝見しに上田へ伺います」とコメント。
平山先生も、「上田展は江戸東京博物館とは違う工夫が各所に施されおり、約3割が上田展でしか見られない作品であることが大きな魅力」だと力説してくださいました。
2016年NHK大河ドラマ特別展「真田丸」上田会場の開催は、8月21日(日)まで。どうぞこの機会をお見逃しなく。