【レポート】特別展「真田丸」をもっと楽しむ体験講座 花押ワークショップ
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特別展「真田丸」では、武将が書いた書状(手紙)が数多く展示されています。
その手紙の最後に、サインのようなものが書いてあります。
これを「花押〔かおう〕」といいます。
これは、真田信繁の名前(上)と花押(下)。
上田市真田町の信綱寺〔しんこうじ〕の隣にある「歴史の丘」には、真田三代及び武田家・徳川家・豊臣家当主の花押の石碑が並んでいます。
2016年7月30日、31日、特別展「真田丸」に関連し、花押の成り立ちや歴史を学び、オリジナル花押をつくるワークショップを開催しました。
講師は、鶴川流〔かくせんりゅう〕花押宗主の望月鶴川〔かくせん〕さん。
日本で唯一の花押専門流派の宗主でいらっしゃいます。
文書の末尾に自筆のサインの証〔あかし〕として、その人の好きな文字や名前の一字をくずして図案化することで、花の形に見えることから、「花押」とよばれるようになったそうです。書き判〔かきはん〕ともいいます。
現在でも、閣議決定の際、各官僚のサインは印鑑ではなく花押が用いられます。
閣僚になると一番最初に準備するのはオリジナルの花押だそうです。
講師がつくった、閣僚や横綱、芸能人の花押を見せていただきました。
名前の一文字をどのようにくずすと花押になるのか説明してもらいました。
花押の歴史は、漢字が発生した中国に起源がありますが、日本独自の発展をとげたそうです。
戦国時代の武将は、右筆家〔ゆうひつか〕という手紙を書く専門部署の人が書き、本人の直筆とは限らないとのことでした。また花押の型紙も残っているそうです。
実際に、戦国武将の花押を筆で書いてみました。筆の離れる瞬間を大切にすることが、綺麗に書けるポイント。
筆に慣れてきたところで、いよいよオリジナル花押をつくります。
自分の名前を一文字選んで、くずしたり複雑に変化させてみます。
ある程度できたところで、アドバイスをもらうと、ぐっと引きしまり、素晴らしいオリジナル花押ができました。
ちなみに和紙に大きく書いてあるのは、望月宗主の作品。
左右どちらも「臨」という文字が書かれています。
左側は「臨」という字のオリジナル「花押」。右側が、崩して書いたもの。
形を作ろうと意識しすぎず、ひと筆で書き、勢いが形になったものだそうです。
非常に力強いとともに、軽やかでもありますね。
講座に参加した方からは、「一生使える自分の花押ができた」「武将の花押を学んだので、古文書が読めなくても書状が読めるようになった気がする」との感想をいただきました。
特別展「真田丸」の書状、「花押」に注目してどうぞご覧ください。