【レポート】オーケストラといっしょ!~0歳からのコンサート~ 関連企画 群響メンバーによる「親子で楽しむコンサート」
- 開催日
- 時間
- 19:00~
- 会場
- サントミューゼ 大スタジオ
2024年2月の【オーケストラといっしょ!~0歳からのコンサート~】のオーケストラ公演に先立ち、群馬交響楽団メンバーによる親子で楽しむコンサートが開催されました。
今回は、ヴァイオリンの松本花菜さんと原実和子さん、ヴィオラは上田市出身の太田玲奈さん、そしてチェロは坂菜々子さんのカルテットによる演奏です。
大スタジオではマットを敷いた床席が最前列に設えられ、囲むように椅子席が並びます。譜面台にはきれいな色の風船が。天窓や中庭に面した窓から外光が入り、開放的な雰囲気が漂います。
おじいさんとおばあさんに連れられた小学生くらいのお子さん、ベビーカーを押しながら席を探すご夫婦、ハイハイしている赤ちゃんとお母さんなど、子どもを中心にさまざまなお客様が集まります。
1曲目の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(モーツァルト)がはじまると、小学生くらいの女の子が「この曲、知ってる!」と言わんばかりにお母さんに顔を向けます。
曲が終わり、松本さんがマイクを取ります。「今日は出入り自由、声出しも泣いてもOKなコンサートです。リラックスして聴いてくださいね」と言い、みわちゃん、れなちゃん、ななちゃん、かなさん……と、子どもが親しみやすい名前でメンバー紹介をしてくれます。
2・3曲目は続けて、「アンパンマン・マーチ」とアニメ「忍たま乱太郎」でおなじみの「勇気100%」です。元気いっぱいの弾けるような曲が、なかなか聴く機会のない弦楽アレンジで奏でられ、メロディやハーモニーの美しさがより際立ちます。
ここからは楽器紹介のミニコーナーです。原さんが童謡「ゆき」を奏でると、「ゆーきやこんこ♪」と口ずさむ子どもの声が。ヴィオラは童謡「北風小僧の寒太郎」で渋く深みのある音を披露します。チェロが演奏をはじめると、「ぞうさん?」というかわいい声が聞こえました。低音が印象的な「ぞうさん」です。
続いては指だけで演奏する「プリンク・プランク・プルンク」です。可愛らしい曲名は、物が落ちる時の「ポトン、コトン、パタン」という音を表わしているそうです。「弦楽器以外の音にも注目してください」という松本さんの紹介通り、途中で「カタッ!」と歯切れのいい音が。音の正体は、手のひらに忍ばせていたカスタネットでした。
5曲目のドイツ民謡「山の音楽家」は群響バージョンの替え歌でクイズが出て、それぞれの楽器で表現する動物の鳴き声を当てます。ヴァイオリンは猫、ヴィオラはぞう、そしてチェロは牛の鳴き声で、子どもたちが口々に動物の名前を当てていきます。
ヴァイオリンのリサイタルでよく演奏されるモンティの「チャールダーシュ」では、松本さんが客席を歩きながら演奏します。より近くで迫力を増した生の音と速弾きに、子どもたちの目が吸い寄せられていきます。
最後は、ジブリアニメの『となりのトトロ』から「さんぽ」です。あっという間の終曲に、客席も名残惜しそうです。「クラシックのコンサートには、アンコールというシステムがあります。私たちは拍手が大好物なので、たくさん拍手してください!」という松本さんの言葉に続いて、演奏がはじまります。客席からは歌声が飛び出し、大いに盛り上がります。
小さな手の拍手が鳴り響き、アンコールはヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」。「手拍子で参加してください!」という掛け声で、元気な手拍子とともに華やかに締めくくります。
終演後は記念撮影タイムで、群響メンバーと一緒に笑顔で写真におさまる子どもたちの姿がありました。
お客様の感想です。
4ヵ月の赤ちゃん連れのご夫婦は、「いろんな工夫があって楽しかったです」「音の体感が映像などで聴くのと全然違いますね。子どもも泣かずに聴いてくれました」と、とても満足そうでした。
お母さんと一緒に来たふたりの女の子は、坂城町から。小学3年生のお姉さんは「曲が揃っていてきれいでした」と、小学1年生の妹さんが「指で弾くピチカートがすごかったです」と、それぞれ感想を教えてくれました。
【プログラム】
モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク
三木たかし/アンパンマン・マーチ
馬飼野康二/勇気100%
アンダーソン/プリンク・プランク・プルンク
ドイツ民謡/山の音楽家
モンティ/チャールダーシュ
久石譲/『となりのトトロ』から「さんぽ」
【アンコール】
ヨハン・シュトラウス1世/ラデツキー行進曲