【レポート】デュオ・レゾネ 上田染谷丘高校ミニコンサート
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6月23日(金)ミニコンサート
at 長野県上田染谷丘高等学校
クラリネットの亀井良信さんとピアノの鈴木慎崇さんによる「デュオ・レゾネ」。この日は「芸術家ふれあい事業」として上田染谷丘高等学校吹奏楽班を訪ね、ミニコンサートを行いました。
コンサート開始前には亀井さんによるクラリネットパート向けのレクチャータイムもあり、生徒たちは
「とてもためになりました」
「“音を注意して聴くといい”など、考え方も教えていただけて良かったです」
と話してくれました。
60人を数える班員が耳を傾ける中、ミニコンサートがスタート。
「今日はクラシカルからポピュラーまで、クラリネット作品を数多く聴いてもらいたいと思います」
と亀井さんがあいさつ。
「サンバのリズムが使われた曲です」と紹介したのは、組曲『スカラムーシュ』の「ブラジルの女」。ラテンの陽気なメロディーと哀愁漂うクラリネットの低音、打楽器のようにリズムを刻むピアノが相まって、まさにサンバを思わせる華やかさ。最前列のクラリネットパートの生徒たちは、亀井さんの指の動きやブレスの様子をじっと見つめます。
2人それぞれソロも披露。「クラリネットのための3つの小品」は妖しさを帯びた不思議な旋律で、深みある音色をじっくり堪能させてくれました。席の間を歩きながら演奏する亀井さんの姿を、生徒たちは真剣な眼差しで見つめています。
鈴木さんのソロは、ラフマニノフ作曲「鐘」。体も気持ちもすべて鍵盤に預けるような重厚な音からさざめくように静かな音まで、一音一音が胸に迫ります。
「管楽器は、一人では演奏会が成立しにくい楽器です。互いを尊重しながら演奏するのがアンサンブルの楽しさ。相手の音を聴きながら演奏することが一番大切です」
と亀井さんがメッセージを送りました。
クラリネットは、オーケストラや吹奏楽だけでなくジャズバンドでも活躍する楽器。「この曲知ってる?」とワンフレーズ吹いてみせたのは、スウィング・ジャズの名曲「シング・シング・シング」です。映画にも使われた聞き覚えのあるメロディーに頷く生徒も。プログラムにはなかった曲ですが、「弾いてみようか」と、急遽ピアノと一緒に披露してくれました。ジャズの渋みや洒脱、躍動感が同居する楽しいメロディーが笑顔を誘います。
「かっこいいでしょ。練習している音楽以外のジャンルも聴くと豊かになるので、色々な音楽を聴いてみてくださいね」
ここで生徒たちから亀井さんに質問タイム。
「一番緊張したステージは?」という質問には、
「毎回緊張していますよ。でも練習はやりきったと思って舞台に立てば、ガタガタ緊張することはありません」
さらに
「一度のブレスで音が長く続くのはどうしてですか?」との質問には、
「メロディーを口で歌ってみて、どう息を吸えば一番続くか試してみるといいかもしれません」
と実践的にアドバイスを送りました。
最後は組曲『カルメン』の「ハバネラ」に『アルルの女』の一節を織り交ぜたメドレーのような演奏。演奏しながらクラリネットのパーツを一つずつ外していくユニークなパフォーマンスに、生徒たちは驚きの表情。演奏後はこの日一番の大きな拍手!お2人の退場後、「すごかった!」と興奮の表情で感想を伝え合っていました。
7月末にコンクールを控えていた吹奏楽班。演奏の参考になっただけでなく、多彩なジャンルに触れて、改めて音楽の楽しさを実感したのではないでしょうか。