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【レポート】田畑真希~コンテンポラリーダンスワークショップ

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サントミューゼ

2018年6月20日から23日まで上田に滞在し、市内の小学校や大学、一般参加者に向けてコンテンポラリーダンスのワークショップを行った振付家・ダンサーの田畑真希さん。

その中から、武石小学校、長野大学、そしてサントミューゼでのダンスワークショップの様子をレポートします。

 

6月20日(水)長小学校  ダンス特別授業

6月21日(木)傍陽小学校 ダンス特別授業

6月22日(金)武石小学校 ダンス特別授業

長野大学     ダンスワークショップ

6月23日(土)サントミューゼ大スタジオ  ダンスワークショップ

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2018年6月22日(金)

at 武石小学校

 

タバマ企画主宰で振付家・ダンサーの田畑真希さんと同じくダンサーの中村理(まさし)さんによるアウトリーチが行われました。

 

午前中は武石小学校体育館を会場に、3・4年生が参加。授業が始まる前にドッジボールで遊ぶ子やおしゃべりを楽しんでいる子たちに声をかけて、どんどん輪の中に入っていく田畑さん。

 

 

みんなが揃うと大きな声で挨拶し、指を動かしたり、ポーズを取ったり、子どもたちが座っている列にひょいっと飛び込んで1人ひとりの顔と名前を確認しながら、ふれあっていきました。

突然おどりながら近寄る2人に笑い声や歓声があがって、身体を動かす前から子どもたちの好奇心は2人の動きにグッと吸い寄せられていった様子。

 

 

 

場が和んだところで「始めるよー!」と田畑さんがかけ声をかけながらダッシュ。すると子どもたちは瞬時に反応してともに走り出す。田畑さんがポーズを取ればマネをして、教えていないのに子どもたちの楽しいものへのアンテナの高さ、そして順応力に感心した瞬間でした。

 

 

つづいて笛を取り出し、様々なリズムと長短をつけて吹いていき、それに合わせて自由に身体をめいっぱい動かして音を表現。

面白い大人と遊んでいるという雰囲気の中で子どもたちはのびのびと新しい身体の動きに挑戦していきました。

1人で身体を動かすことに慣れてきたところで、今度は複数人で子ども同士のふれあいを交えたワークへ。

田畑さんは「2人1組で5本足!」「まだ一緒になっていない人5人で7本足!」などかけ声をして、足だけではなく、手や頭、お尻など様々な身体のパーツを足に見立ててポーズを取りました。

複数人が瞬時に考えたポーズは、どれを見ても個性的で芸術作品のよう。担任の先生たちも1組ごと、撮影してまわっていました。

 

 

 

5分ほどの休憩を終えてからは、さらにレベルアップした動きに挑戦。

1人が氷のようにポーズを取ったまま動かないでいるところを、もう1人がかたまっている身体を温めるようなイメージでそっと身体に触れる。触れられた方は温まったなと感じたところでするりと動いて触れた相手の身体から離れる―というくり返し、田畑さんいわく「氷ゲーム」をスタート。

 

 

自分と相手の身体や動きに集中することで、人間の身体の温もりを感じたり、ふれることで身体の仕組みのようなものをなんとなく知っていく。丁寧に動く子、ささっと触る子と様々で、一人ひとりの個性を動きから感じ取ることができます。

つづく応用編は「人形ゲーム」て。1人の身体をもう1人があやつるように動かすゲームをして、最後は数グループに分かれて練習した成果を音楽に合わせて発表。

 

 

アウトリーチを終えた子どもたちからは、「ダンスを習っているけれど、これはいつもとは違う感じで面白かった」「知っているダンスとは違ったけれど、動いていたらなんかダンスっぽくなった!」など、初めて出合った動き、これもダンスになるんだ!という創造することの喜びを感じ取った様子が印象的でした。

 

 

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2018年6月22日(金)
at 長野大学

 


同日の午後には長野大学のダンスや和太鼓などのサークルに所属する15人の男女が参加。すでに様々なダンスを習得している学生たちに、「自分たちで身体を動かしながら、いろんな動きを見つけていきたい」と田畑さん。

 

ベースは午前中のワークと一緒ながらも始める前の準備運動も重点的に行いました。

 

 

その後は、ステージに立つ機会がある人が多いことから、限られた空間でまわりにいる人がどのように動いているのか気配を感じるワークとして、ペアになって手のひらだけで相手を動かして、受け手はその気配を肌で感じ取って動いてみたり、人さし指の先端を付けて2人で1つの身体にしてみるように動いたり、目隠しをした相手に触れて誘導したり、されたりなどの動きを続けていきました。

 

 

 

普段はHIP HOPやJAZZなどのダンスに取り組む学生たちも、型のない身体の動きに最初はどのように動けば良いのか分からないといった様子で頭をフル回転させている印象を受けましたが、次第に感覚を掴んで動きがしなやかに、やわらかく変化していきました。

 

 

 

参加した学生からは、「一人ひとりの動きに個性があって、ダンスは自己表現だなと思いました」、和太鼓をしている学生からは「ダンス経験はありませんが、それでもリズムなど参考になる部分がありました」など新たな発見を見いだせたようでした。

 

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2018年6月23日(土)

コンテンポラリーダンスワークショップ at サントミューゼ大スタジオ

 

踊りが大好きな小学生、バレエ教室に通う中高生、演劇をしている人、これから運動をしようと考えている人など31名が大スタジオに集まりました。ワークショップ前のストレッチに余念がない参加者全員に声をかけて、一人ひとりと対話をしながら進めていきます。

 

 

この日は田畑さん、中村さんのほかにも田畑さんを大先輩だと慕っている振付家でダンサーの中村蓉さんも「ぜひ参加してみたい」と来てくれました。

 

 

まずは参加者同士が顔と名前が一致するようにと胸元に名札をつけて、歩きながらハイタッチした人の名前を呼び合うワークからスタート。

 

 

 

少しずつスピードを速めていき、ぶつからないように配慮するようにと田畑さんからアドバイスが入ります。

その後は「2人1組で5本足!」など突然違う動作をするようリクエストをし、知らない人同士で協力し合って形を生み出していきました。

軽く身体を動かしたあとは、寝転んで膝を抱えたり、大の字になって呼吸を整えたりして、頭や全身をゆすってリラックスしてしばし休憩。

 

 

つづいて「ゴム人間」と題して、音楽など音に合わせて身体を膨らませたり、小さくしたり、ゴムになった自分をイメージしながら身体を動かします。ジャンプしたりたり、つま先から指先、頭の先まで思い切り伸ばしたり、かと思えばくねくねと腕を動かして縮まる様子を表現したりと、31名が自由に動いているだけですでにダンスが生まれていくようでした。

 

 

後半は動かす人と動かされる人に分かれて、ペアワークに移りました。

途中からは動かされる人は目隠しをしてみると、身体の動きはさらに変化。

 

 

 

「見えている時は、じき身体に触れるなと分かるので、それに応じようと思うのですが、見えない時はどこに触れるのか分からないので、触れたところだけに集中できました」と参加者の1人が話すように、押された、触れたことに対して身体の動きはとても敏感に、素直に表れていました。

 

最後は2班に分かれて、動かし、動かされるワークを音楽に合わせて発表。

 

 

 

2時間のワークショップだけでも「頭で考えるのではなく、身体で思考しながら都度順応する身体になる」という田畑さんの言葉のように変化が見られました。

 

数日間のアウトリーチやワークショップを通じて、ジャンルを超えて表現を追求するコンテンポラリーダンスの魅力にふれられた時間となったのではないでしょうか。