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【レポート】BLACK BOTTOM BRASS BAND~紅葉まつり&BBBB LIVE!

みる・きく
会場
サントミューゼ

BLACK BOTTOM BRASS BAND
2019年11月2(土)・9日(土)

 

1993年に関西で結成された、日本唯一のニューオーリンズスタイルのブラスバンド「BLACK BOTTOM BRASS BAND」(以下、BBBB)。

トランペット、トロンボーン、アルトサックス、テナーサックス、スーザフォン、スネアドラム、ベースドラムの7人編成バンドです。

今年も、「上田城紅葉まつり」でのステージ、そしてサントミューゼでのライブを開催しました。その模様をレポートします。

 

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マチ×マチ フェスティバル BBBBパレード&ミニライブ

2019年10月2日(土) 15:00開演 上田城址公園 特設ステージ

 

「上田城紅葉まつり」のイベントステージは、東虎口櫓門を背景に、二の丸に設えられていました。

飛行機雲が行き交うひときわ高い青空と、色づきだした樹々の葉。これ以上望むべくもない爽やかな秋の午後です。

その紅葉まつり1日目のトリを飾ったのが、BBBBのパレード&ミニライブ。

BBBBの出演は今年で3年目となります。

開始直前の音合わせからすでに、客席や通りかかった人々の注目を集めていました。

 

 

15時を少し回ったところで、櫓門からパレードがスタート。

BBBBのメンバー7名だけでなく、この日午前にワークショップに参加した市民による「スペシャル楽団2019」も一緒です。少年の小太鼓奏者から大人まで、16名ほどのメンバーが参加しています。

 

 

曲は『聖者の行進』です。この曲は黒人霊歌のひとつで、ディキシーランド・ジャズの名ナンバーでもあります。

途中、トロンボーンやスーザフォン、パーカッションのソロが入り、歌も入りました。

出店が並ぶ二の丸横丁を回りながら、曲はノブオ西本・ジョージ島袋作曲、BBBBのMONKYさんがアレンジした『ジャパニーズ・ルンバ』に移ります。

アルトサックス、ブルースハープのソロが冴えます。

 

そしてBBBBのメンバーがステージにあがり、ミニライブがはじまりました。

「秋のいい空気を吸ってくださいね!」とYASSYさん(トロンボーン)が満面の笑みで客席に語りかけます。

メンバー紹介を兼ねた演奏からはじまって、『ワッショイ★ブギ』へ。

「ソレソレソレ」「せいや、せいや」「ラッセラー」という祭りの掛け声とともにはじまり、一気に場が温まります。

客席もコール・アンド・レスポンスで「ワッショイ、ワッショイ!」と応えます。

最初は遠慮がちだった声もだんだん大きくなり、体をゆらしてリズムをとる人が増えていきました。

 

 

すっかり盛り上がったところで、一転スローなナンバーへ。

オリジナルやジャズのスタンダートナンバーを数多く演奏してきたBBBBですが、最近は日本の歌に心ひかれているそうです。

そこで今回演奏したのが『夢で逢いましょう』。

1960年代にNHKのバラエティ番組として人気を博した「夢であいましょう」の主題歌で、“ラテンの女王”坂本スミ子が歌い、後年多くのミュージシャンがカバーしている曲でもあります。

作曲は中村八大、作詞は永六輔というゴールデンコンビの名曲です。

トロンボーンが奏でる旋律はどこまでも柔らかく、切なく響きます。

客席をゆっくり歩きまわるトロンボーンからは、スライドの動きを通して情感が伝わってくるようです。

 

そして次は、最近BBBBが提唱しているという“健康ジャズ”です。

オリジナルの『DARUMA』という曲に合わせて、YUTA919さん(トランペット)が、両手をあげる振り付けと「ラララー」と口ずさむメロディーを客席にレクチャーします。

最初は勝手が分からなかったお客様も、いざ曲がスタートしたらだんだんと乗ってきます。

手をあげて声を出し、心なしかすっきりしたような表情でした。

 

最後は『ジャパニーズ・ルンバ』を、「スペシャル楽団2019」のメンバーもステージに上がって一緒に演奏しました。

YASSYさんが「紅葉にもっと色をつけていきましょう。紅葉まつり! おもろいまつり!」と客席をあおります。

 

 

ブルースハープのソロは、青木村在住で日本のブルースハープコンテストで今年最年少優勝したKOHさんが演奏します。

中学生にしてすでに達人の域にあるKOHさんは、即興で縦横無尽にブルースハープを鳴らしていました。

 

 

最高に盛り上がったところで終演……と思いきや、最前列のお客様から「アンコール!」の声が飛び出しました。

思わぬリクエストに嬉しそうなステージ上は、『聖者の行進』を再び演奏します。

足を踏み鳴らしたくなるような楽しげな余韻を残し、1時間弱のミニライブは終了しました。

 

 

【プログラム】

<パレード>

黒人霊歌:聖者の行進

ノブオ西本・ジョージ島袋:ジャパニーズ・ルンバ

 

<ミニライブ>

オリジナル:ワッショイ★ブギ

中村八大:夢で逢いましょう

オリジナル:DARUMA

ノブオ西本・ジョージ島袋:ジャパニーズ・ルンバ

 

【アンコール】

黒人霊歌:聖者の行進

 

 

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BLACK BOTTOM BRASS BAND LIVE

2019年11月9日(土)14:00開演 サントミューゼ小ホール

 

ホール後方の扉から、にぎやかな生演奏と共に登場したBBBBのメンバー。

手拍子で盛り上がるお客様の間を、目線の近くに楽器を近づけたりハイタッチしたりしながら進み、会場の温度を上げていきます。

 

手拍子の中、ステージ前面ギリギリまで迫り出しながらダンサブルな音を繰り出すメンバー。

『Zunbe La Bon』では前列のYASSYさん(トロンボーン)、MONKYさん(アルト&バリトンサックス)、YUTA919さん(トランペット)のホーン隊が体を揺らしながらノリノリで演奏。

見ているこちらも自然と体が動き始めます。

 

 

「僕らはジャズのスタンダードを演奏することが多いんですが、最近は日本の曲もよくやっています。次はYMOの曲。YMOといえばあれ、ですよね?」とMONKYさん。

名曲『ライディーン(RYDEEN)』のメロディーを口ずさみはじめ、客席も同調しはじめたものの、かなり進んでから「これじゃないんですよね~!」と止め、会場からは笑い声が。

実際に演奏したのは、YMOの『コズミック・サーフィン(Cosmic Surfin’)』でした。

 

続いては名曲『浜辺の歌』の哀愁あるメロディーを、軽やかなハーモニーで聴かせます。

 

YUTA919さんが「健康ジャズです!」と音頭をとって演奏した『DARUMA』ではお客様も立ち上がり、腕を振って踊りながら楽しみました。

「ええ感じですわ!」とどんどん振り付けを加えていくYUTA919さんに合わせて、客席も笑顔で一体となっていました。

 

 

ニューオリンズの代表曲『IKO IKO(アイコ・アイコ)』は明るく大らかなメロディー。

TAMOTSUさん(スーザフォン)のソロ、ANTONさん(ベースドラム)とSEIYAさん(スネアドラム)のドラムセッションで魅了しました。

 

 

 

 

アンコールでは、上田でのワークショップに参加した市民の方と結成した「スペシャル楽団2019」が登場。

小学生から久々に楽器を手にした大人まで、緊張しながらも楽しそうに演奏する姿が印象的でした。

最後の『聖者の行進』の演奏では全員が客席をパレード。

 

 

 

 

参加した演奏者は「BBBBのメンバーからは、リズムに乗って楽しんで!と言葉をかけられました。

色々な年代の人と一緒に演奏するのは滅多にないことですし、楽しんで演奏しました」と話してくれました。

 

 

終演後のサイン会で、訪れた人やスペシャル楽団の皆さんと気さくに言葉を交わしていたメンバー。

大人も子どもも、音と一体になって楽しんだひとときでした。

 

 

 

【プログラム】

 

オリジナル:笑うスザーノ

オリジナル:Zunbe La Bon

オリジナル:ワッショイ★ブギ

細野晴臣:コズミック・サーフィン(Cosmic Surfin’)

成田為三:浜辺の歌

オリジナル:Mr.ジョーロのテーマ

中村八大:夢で逢いましょう

ルイ・プリマ:Sing, Sing, Sing

オリジナル:DARUMA

オリジナル:Banksia Rose

ドクター・ジョン:IKO IKO(アイコ・アイコ)

オリジナル:ストロベリー・ダンス・アワー

 

<アンコール>

オリジナル:SHE BE

ノブオ西本・ジョージ島袋:ジャパニーズ・ルンバ【スペシャル楽団2019】

黒人霊歌:聖者の行進【スペシャル楽団2019】