概要
明治末から大正時代にかけて、日本は近代版画の誕生という大きな変革期を迎え、それまでにはみられなかった「創作版画」という概念とともに、作家自身がその芸術的感性を意識した作品制作に盛んに取り組んだ時代でした。以後、我が国の版画芸術は進化を遂げ、現在では既存の技法にとどまらず、様々な手法を駆使したあらゆる作品が生み出されています。作家自身の美的感性を主軸に据えた版画の芸術的価値をいち早く認め、その確立と普及に努めた創作版画家・山本鼎(1882-1946)は、今日のような版画芸術の隆盛を誰よりも願った人物です。
「山本鼎版画大賞展」は、この山本鼎が情熱を傾けた版画芸術の発展を前進させる独創性・芸術性を追求した作品の登場を待望しています。そして、次代を担う前途有為な若手作家たちが、みずみずしい感性で表現する意欲的で、時には野心的・実験的でもある「版による芸術」の発表の場を設けたいと願っています。
告知&インタビュー
YouTubeチャンネルで第7回山本鼎版画大賞展の告知& 第6回大賞受賞者 村上早さんのインタビュー映像を公開中↓