第9回 山本鼎版画大賞展

審査結果

審査の結果、157点が入選し、そのうち14作品が入賞となりました。

入賞作品 14点

大賞

張 雨倫(ちょう うりん)
《88512963》
銅版、モノタイプ 60×60×20cm
東京都

 この度は大賞を授与して頂き心より感謝申し上げます。学部3年生の時に山本鼎版画大賞展のことを知り、当時公式サイトで先輩たちの作品を見ました。皆それぞれ版画を通じて、様々な絵と考えを自分のスタイルで表現していました。その憧れの山本鼎版画大賞展が、今回から立体作品も受け入れ始めたので私も出品が叶い、現在先輩たちと同じ舞台に立ち、そのうえ山本鼎版画大賞展の大賞に選ばれたのはとても光栄なことだと思いました。以前先輩たちの足取りを追いかけ、版画創作で自分らしい作品を模索しようと努力していた私はようやく期待していた自分に一歩近づくことができました。この度多くの人に作品を見ていただける機会を与えて下さった山本鼎版画大賞展の関係者の皆様に、心から感謝致します。
 私は中国で中学生の頃から絵を描くことを学び始めましたが、日本に来てから自由に作品を創作することができるようになり、専門的な版画に関する知識に触れたのは、武蔵野美術大学に入学してからのことです。大学で版画は紙などの媒体に直接描くのでは出来ない、版を通じて独自の表現をすることが重要であるということを意識し始めました。私にとって版に傷をつけて印刷するという行為は頭の中の光景を捉える過程のようなもので、記憶の中の叙事は空間と時間的に正確に複製することができないイメージであり、これらの記憶と形が不確定で曖昧な光景を主観的に捉えて銅版に抽出する時、それらは確実性があり形状のあるコントロール可能な創造物になると感じています。
 《88512963》は2022年から制作を始め、完成した小さい立体印刷物は約450点ほどで、今回の展示では落書きした木箱と55点の作品を出品しました。出品した作品は石膏刷りや段ボールなどに貼り付けられた断片化された版画と銅版豆本で構成され、木箱の上に網目状に沿って陳列されています。作品の中には残念な思い出の描写もたくさんありますが、悲しい記憶でも面白みのある描写を心がけています。
 《88512963》の制作はコロナ禍になってから日本で中国にいる父とビデオ通話している際の喧嘩から始まり、その喧嘩で家族は鎖のようだと気づかされました。留学のため、私は自分の家族と離れて、日本に来て新しい生活を始め、以前触れたことのない日本の文化を勉強し、受け入れると同時に、元の家族文化は子供の頃から知らず知らずのうちに自分の性格と生活に影響を与えていると気づかされました。家族との関係、地域文化、教育方式、社会の変化など、家庭風景の中に潜り込んでいる文化が私の記憶を構成しており、日本の文化と社会環境の影響の下で、子供時代の記憶も主観的に変化しています。それらの記憶を捉えて版画にして小さな立体物に貼り付けてみました。新しく触れた文化の影響を受けて出来た小さい印刷物を、基盤となっている中国で育まれた家庭文化の象徴としての大きい木箱の上に配置し、私の意識のなかの二つの要素が作品の上で融合し響き合う場を形成したいと考えました。
 日本で一人暮らしを始めてから、生活の中での人々の間の距離感にだんだん興味が湧いてきました。近くもなく遠くもない距離によって関係が保たれているように思います。そこで、私は小さな立体物を網目状に沿って独立した状態で、関係性を維持しつつ、一定の距離がある個体のように見えるよう配置しました。見る人はその距離感からも全体と部分の手がかりを発見し、一連の思い出とその中に隠された秘密を想像することで社会を投影し、作品と親密な状態でコミュニケーションが出来るように表現してきました。
 今回の大賞を頂いたことは私にとって大きな支えと励みになり、これからも自分の制作方向と目標を持ち続け、より多くの感情を版によって表現し、今後の制作活動の中で自身の作風を維持し精進していきたいと思います。

準大賞

鈴木 遼弥(すずき りょうや)
《day count : 91》
木版 68×85cm
東京都

 日常的な風景はどれもありふれた像だ。僕たちの脳は、物事を意識的に見ていなければそれを認識することはできないという。

 僕は時どき、自宅周辺をわけもなく散歩をすることがある。その時、何枚か写真を撮影する。目的のない散歩で撮った、目的もない写真はしばらく経ってから見返してみると「こんな写真撮ったっけ」と忘れていることがある。確かに自分が撮ったはずの写真だが、その場の空気感、時間感覚、何を考えていたかなどが全て曖昧に感じる。写真を撮ったという事実とそれを忘れてしまった意識が混在した状況は僕には特別な何かを感じさせた。

 そんな写真を選び、水性木版画でその特別な何かを追求するために記録している。この作品で用いた手法は、版木の裏面を摺る方法で、インクのあるなしではなく、凹凸によるプレスの圧の現象のみが出力される。版画において、実像が自身の中の意識だとすれば、ここで出力されるのは、現象という事実と意識が混在した像になる。

前田 由佳理(まえだ ゆかり)
《What’s wrong with freedom?》
銅版(エッチング、コラグラフ) 66×97cm
熊本県

 子どもの頃、図工や美術が大好きでした。しかし唯一苦手なものが「版画」でした。
 「なぜ写し取ると図柄が反転するのか?」言葉ではわかっていても、頭の中ではさっぱり分からず、混乱していました。だから版画の世界に踏み出すことはないと思っていました。それなのに、今も版画を作り続けている自分に改めて驚いています。
 「版画」との出会いは、絵筆を握っても何も描けず、もがいていた時です。大きな真っ白いキャンバスが威圧感たっぷりに私の前に2年間立ちはだかっていました。そんな時にはがきサイズの銅版画を作りました。肩の力を抜いて描いた小さな作品。あの時の楽しさは忘れることができません。版画の持つ表情や図柄が反転することがとても面白くなり、せっせと作っていたら、版画人生を歩むようになっていました。そして、なんだか作品も大きくなってきました。
 大きくなっているといえば、世の中の変化の速さと日常との違和感です。私は日々を見つめています。最近、子犬を飼いました。それで私の家族は2人と犬1匹になりました。この作品は私の家族の記録のようなものです。

サクラクレパス賞

民谷 茜(たみや あかね)
《Night view#3》
シルクスクリーン 68.0×91.0cm
埼玉県

 この度はサクラクレパス賞をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本当に自分の作品がこのような素晴らしい賞をいただいてもよろしいのかと思う反面、大変嬉しいです。初めての受賞なので、創作する喜びをこのようなシーンで感じてしまいます。今回の受賞で自惚れず、これからも一層制作に励みます。
 最後になりましたが、このような素晴らしい賞をいただき、審査員の方々、また関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

優秀賞

王 敬昇(おう けいしょう)
《欄干会大壁画-2》
リトグラフ 90×70cm
茨城県

この作品は《欄干会大壁画》シリーズの第2部。
石窟が徐々にぼやけ、昔の信者は石となり、自然と一体化していた。
水池の中央にある彫像はすでに崩れているが、
人々は池でのんびりと入浴し、起こっていることに無関心。
廃墟の中で新しい命がひそかに育っている。
世界は常に変化し、絶えず入れ替わっています。
私はリトグラフの手法を好んで使用している。
「水と油の反発」の原理は制作に大きな楽しみをもたらす。
「油と水」、「黒と白」などのバランスを守り、「版上の世界」を築くことを楽しんでいる。

岸中 延年(きしなか のぶとし)
《神木》
木版 80×60cm
京都府

 シンプルな表現と技法で木版画に仕上げようと考えています。
 スナップショットの写真をもとに、写真の陰影・明暗・遠近など画像の詳細を無くして行き、写真の再現ではなく、平面性と刀の彫り跡を見せるようにしています。
 仕上がりの作品が、写真の再現から掛け離れ、彫り跡の木版画でありながら、写真と分かる表現になるように制作を進めています。

中村 紗友里(なかむら さゆり)
《ぐるり》
木版 97×66cm
京都府

 この度は優秀賞を賜り、大変光栄に存じます。日頃からご支援頂いた皆様に感謝申し上げます。
 私はこれまで小説、演劇、版画と媒体を変えながら言葉に係る活動を続け、現在は音声を切り口に文字の形を変化させる平面表現に勤しんでおります。本作も「ぐるりぐるり」の音声を素材に、音の位置をイメージしながら制作しました。
 言葉の形を知りたい。中高時代の演劇部で得た壮大な好奇心とささやかな試みに、拍手が送られたことは何よりの喜びであり、励みとなります。重ねて、この度の受賞に心より御礼申し上げます。

日髙 衣紅(ひだか いく)
《黒島傳治著『武装せる市街』(改訂版)二五〇-二五一頁》
シルクスクリーン 25.5cm×32.1cm×53cm
茨城県

 私の作品は、摺り重ねたインクの層を通して時間や重みを視覚化し、印刷物の背後にある人々の存在や歴史的背景を表現しようとしています。そのため、平置きで展示することが適していると考えています。今回、山本鼎版画大賞展で平置き展示の新規定が設けられ、出品でき、さらに賞を受賞できたことを大変嬉しく思います。展覧会の開催にご尽力いただいた美術館のスタッフの皆様、そして審査員の方々に、深く感謝申し上げます。

森 桜子(もり さくらこ)
《自画像》
銅版 エッチング 94.0×74.0cm
愛知県

 腐食銅版画は刷り上がるまで作品の全容を見ることができない。そんな状況の中で陰影やモチーフの状態を模索して描画する行為を、自分の中に眠る核の部分を掘り起こす作業として認識している。自画像というテーマでの制作を通して、動物としての必然性に満ちた生と死、暴力性などの正体を現代人の視点から明らかにしたい。

立岩和紙賞

池内 通子(いけうち みちこ)
《なぜ生きる -ハシビロコウ-》
ウォータレス・リトグラフ 82×71cm
長野県

 私の作品が立岩和紙賞を受賞できましたのは、日頃からご指導くださる皆様や、暖かい家族の支えによる賜物であり感謝の気持ちでいっぱいです。
 私は野生動物が、過酷な環境で懸命に生きる姿に感動したり、励まされたりする一方で、なぜそうまでして純粋に生きれるのかとも考えます。人間の業を追い闇の心に連れ込む、このテーマをもとに嘴広鸛を10年描き続けています。この作品は、トナー描画のみによるウォータレス・リトグラフに挑戦し、己も過酷な状況に追い込みひたすら制作しました。嘴広鸛が問いかける人間への挑戦を感じながら…。

アワガミファクトリー賞

宮澤 佐保(みやざわ さほ)
《家の記憶》
シルクスクリーン 92×110cm
長野県

 今では、誰も居ない母の生家。ここにあるのは先祖の記憶、そして、時間も温度も失った古家だけだ。記憶が残された多少の品々、ひとつひとつと対話する思いで写真に収める。私は一体何者なのか。ずっとわからなかった。制作するうちに何かが見えてくるような気がした。
 写された記憶は釉薬で陶板に転写した。釉薬には25年前に亡くなった祖母が生前に作った燻炭を練り込んだ。記憶は溶着し永劫の記憶となった。
 作品は私と亡き祖母との共同制作。古家の軒下で朽ちていた鉄板は家の欠片だ。この作品は家の記憶そのものなのだ。

奨励賞

柏木 優希(かしわぎ ゆうき)
《overlap #2》
水性木版 64×64cm
群馬県

 デジタルをモチーフとし、色彩とピクセルの配置のみで表現する木版画制作を、大学生の頃から10年ほど続けてきましたが、この手法で作品を作り始めた当初よりも悩むことが増えました。結局のところ悩むポイントは変わっていないのですが、続けてきたからこそより一層真剣に作品に取り組めるようになってきたのだと思います。まだまだ満足できる成果を上げることができていませんが、このような形でご評価いただけることは大きな励みとなりました。ありがとうございます。

鈴木 知子(すずき ともこ)
《ひとり 24.4》
紙版 81.5×55cm
愛知県

現代人の孤独はあの魔性の女、阿部定に繋がると思います。
私の思考でその定の裏側を切り取ったつもりです。作品を性的に見ることも出来ますが構いません。
人生は一瞬で変わるものです。
マッチ棒でそれを現したつもりです。

だれも描かない表現が理想ですが、
それがどのように評価されるか葛藤もありました。
媚びずに信念を通して描き続けて良かったと思います。

関 萌瑚(せき もえこ)
《窓の外を見る》
リトグラフ 59×80cm
東京都

 私は現在アパートの一階の部屋に住んでいます。
 庭からガサガサと物音が聞こえ不審者が侵入してきたかと思い、恐る恐る覗いてみると、鳩が歩いているだけということが何度かありました。
 今回の絵はそういった日常の不安をテーマにしています。
 絵を描き加えた写真を色分解し、写真製版をした版を刷って完成した作品は、現実の世界と自分の妄想がフラットに繋ぎ合わされたものになっていると思います。

入選

※受付順

作者名 作品名
森山佳代子 還る
新野 耕司 刻む 144ー2
門馬 英美 郷愁
伊藤 榮 何に生まれ変わるのか
寺口 肇 まだ空を飛べるだろうか
鈴木 紗綾香 雨の終わり
神田 和也 Thoughtography23-02
梅津 秀行 cloud
山田 琢矢 堂々巡りの渦
戸田 喜守 歩く人たち
尾曽 美和子 Tangled 2303
青栁 有華 八橋
福島 真菜 探検
増田 雅子 生まれるということ
佐藤 雄飛 景象 #12
辻󠄀 彩菜 生活の層 14
徐 儀瑩 breathe
片岡 外志子 音が消えた
棚橋 荘七 水の器
戸谷 文孝 方舟の帰還II
山田 純一 静かな雨
わたなべ 淑子 地中の呼応 涌
大浦 美知子 ロンドOp.1-2
芝田 美恵子 Cabaret chat noir
飯田 耀子 困惑する現代人A
平野 瞳 夕日の味
篠田 亜希子 旅程幻想
川村 景 いかにも信仰心がありそうで信用ならない、だがある意味、お気楽で繊細かっこ笑い的な心を持った人々!
松田 圭一郎 24-20 Bird
加藤 照子 無言の月
坂口 恵二 青はモノクロ
長井 信夫 notion椅子202401
新免 泉 誰かそこに居ますか?
EASTCOTT, Wayne Synchronicity 22
ミシマサオリ 午睡
越山 孝彦 密しき葦原 <ENTRANCE>
野津 正昭 November
浦江 妙子 Kioku 2024-04-10 どこにいくのか?
柄澤 博章 白い朝
鈴木 道子 癒しの池
染矢 義之 回 12
大石 珠世 雑居する
中村 美津穂 view
鈴木 洋子 沈黙ー24-5
花藤 加奈 栗鼠
張 諒太 Dubrovnik-旧市街の階段路地
加納 シゲヒロ The Treasure Inside #L01
馬晨尭 都市の鳥
スズキヤヨイ ハルノヒ
雨宮 千鶴 Niwa-2024-5(b)
倉羽 博之 魚の記憶 Fragments
堀江 優希 変様
松井 亜希子 MIRRORS-Blood vessel
ワタナベメイ Sequence_fig3_dw
澤田 祐一 松にふれて2024-2
奥田 藍 The two Am were on the tree.
斎藤 香織 Spring Figure
陳 憶誠 連続労働1-8①
金子 美早紀 瑞雲龍の植木
絹谷 與師子 コスモとハエ
山田 大輝 Shibuya,26
朝井 颯志 Reflexes
川田 英二 Theoria 024-04
吉田 桃 鳩の友人
岩村 隆昭 昆虫戯画:ナナフシはジャングルジムに登れるか?
山下 哲郎 「型による型の中にある形」スルマの民のタトゥーから 24-11
山里 悠真 社会の洞窟
Gao Fei 器の中に詰まっている自分
山本 佳奈枝 徳をつんだ人
黒田 智恵 まどろみたわむれ
楊 天峰 静観シリーズ・2
作者名 作品名
テリー マッケーナ Five Days in Nagano
久松温子 pour la mèlodie blanche : point
富田 伸介 水面波
谷口 桃子 noise
南部 夢人 蠢動
原 健太郎 Getting there
東尾 文華 折に触れ全部覚えている
酒井 重良 記憶の森
吉浦 眞琴 手出し無用無能の手招き
SUMIFUDE Klon
椿一朗喜昭 Yacht Harbor
四方 果琳 夜のガソリンスタンド
長谷川 崇平 無題
王 豫敏 leaf,leave
エグチ ジュンコ ロケットマン
児玉 太一 Scenery over there_24_02
清水 稜太 耐えられない!
藤原 聖也 I'm lazy
田中直子 芦生・灰野の根曲杉
若狭 陽子 プレコ32才(3)
大髙 聖依 鶏の美
道又 蒼彩 fit in
玉分 昭光 He lives 父と兄
田中 千里 死の舞踏/肖像
武智 なつ子 garden
香焼 知佳 Hakozaki
キムスヨン 遊んでいる子供たち
大月 美歩 ピカシェット
山田 渓樹 ぎゅうぎゅう
鳥越 愛良 "曖昧な庭Ⅱ"
大浦 丈陽 mixed
北村 早紀 Mt.White A
曽我 祉琉 有象無象
小林 幹太
李 佳遠 Eros
秋山 佳奈子 wrapping paper
齊藤 桜香 あたたかなねどこ
市川 香苗 廃墟とツインテール
宮内 柚 work6-6-1B
土屋 朱織 刷り跡24-1
Nilsen Thea Larsen Dazed
正田 七恵 砂の上のミニカーⅡ
城山 萌々 Variationen
濱島 良子 scatter and gather
大杉 祥子 白木野饗宴之図
戴 飴霏 帰り道
平田 詩織 Self-portrait 24-5
菊野 祥希 Rampage Printing
霧生 まどか last dress
山田 笑歌 series"dusk-to-dawn"2022.12_#4
佐藤 翼 Will you hear me out?
若月 陽子 佇んで見る/野
東弘 治 賢人たち
鈴木 悠子 Reflection
鐘翊 綺 傾倒の姿
カノウジュン Now and Here 04_17_2024
川澄 陽一 色即是空
武田 光弘 一本の線から
唐澤 英明 あきゆやけのとき
井村 隆美 翳りの安らぎ
松澤 輝代 あらしの夜
野崎 緑 追い込まれた地球
望月 信幸 ソレイユ
阪本 幸円 SNOW PRINT:NO.2024-1
中嶋 惠子 Notebook<G.R.展にて>
村松 範男 遠い記憶
島田 加寿子 flaws
武田 典子 anything
加藤 和歌子 そこにある記憶 Ⅰ
木本 匠 朝の冒険
太田 絵理 小さな世界で3
作村 裕介 スコップと労働者

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